仙酔島に還る、そして生れる5
旅行の楽しみの一つ、食事!
三段重に小鉢、縁起を担いだお吸い物、どれも斬新でカラフルで、七福神を連想させる
季節ならではの雪解けを模したものもある!
今はちょうど節分の時期
この辺りの風習では、豆や柊の代わりにオニグイ(タラノキ)の枝を焼いてパチパチいわせることで鬼を祓うという
それぞれオニグイの小枝が用意されており、自分で焼くことで新たな年の自分に生まれ変わるそうだ
なんとも粋なおもてなしである
三段重を一つずつ開けていく
ゆったりした、丁寧な食事の時間
素材の味を一つ一つ味わうとはこういうことなのだろうと、食べる方も一種の覚悟を持つ
その中でも一番の立役者は、仙酔島で作られている『感謝の塩』ではないだろうか
塩は一日何グラムまで!なんて、健康概念が入っていたが、天然の塩は実はいくら摂っても害にはならないらしい
しっかりとした塩の味
なんとも気に入ってしまった
早々と入浴も済ませ、後は寝るだけと部屋に戻ったが、なんとも勿体ない心が…
コートを着直して、外に出ることにした
満月には少し早いが、月や空がとても綺麗だ!
夜の浜辺など、仙酔島に泊まらなければ経験できないことなのだから、相当ワクワクする
アルコールをお供に夜の浜辺に向かう
波の音が心地よく、静かに響く
風もあるので決して暖かくはない
が、なんとも包まれてる気がする
後から知ったのだが、その浜辺には、『閃きの門』なるものが現れるらしい
薄暗闇で、近くや遠くで灯りがチカチカする中で、もしかしたら見えない門が開いていたのかも知れない
あると思えば見えないものも見えてくる気がする
あくまでロマンティストだ
明日の朝は朝日を見に行こうかな、それとも大弥山に登ろうか、そんなことを考えながら部屋に戻った
朝日の明るさが見えるように、枕と足元を逆にして、海が見える方向で眠った…
目覚ましは鳴るが、明るくない…
雨だ
結構などしゃ降りだ…
朝日は次回以降の楽しみとなった